中村獅童 / 歌舞伎俳優
Kyoto
京都
傾奇者・中村獅童を育てた場所
歌舞伎発祥の地、京都
中村獅童 / 歌舞伎俳優
※写真はGoogle Pixelで撮影しています。
「歌舞伎界の異端児」とも称された、歌舞伎俳優・中村獅童。彼が選んだのは幼少期からの人生の節目節目を過ごした、大切な場所・京都。歌舞伎を継承する家に生まれるも、今日に至る道のりは長く、そして、険しいものだった。6歳で日本舞踊や長唄の稽古をはじめ、8歳の初舞台で二代目中村獅童を襲名。自ら歌舞伎の世界に飛び込み、父親という後ろ盾がない厳しい環境の中で母と二人三脚でやってきた。主役は無理だという声を突きつけられながらも、稽古に励み、映画や時代劇といった映像業界にも活路を求め、挑戦。下手だろうが、怒られようが、逃げずに全力で芝居に打ち込んできた。日の目を浴びたのは30歳を過ぎてから。そんな遅咲きだった彼を支え、導いたのは、母や中村勘三郎ら先達の存在だった。何度も足を運び、厳しい経験をした京都で、当時お世話になった恩人たちと再会を果たしながら、30年の軌跡を辿る旅が始まる。JOUR
NEY
Fushimi Inari Taisha
「お稲荷さん」と親しまれる
京都を代表する神社
全国に約3万社ある「稲荷神社」の総本宮として京都市伏見の稲荷山に建立され、1300年以上の歴史を持つ。稲に関する神のお稲荷様が祀られており、「お稲荷さん」の愛称で親しまれている。商売繁昌・家内安全のご利益があるとされ、一年を通して世界中から多くの参拝者が訪れる。名物でもある千本鳥居は、人々が願い事が通るように、または通ったというお礼を込めて、江戸時代以降に鳥居の奉納が広まったことによるもので、今では1万を超えているそう。獅童さんにとっては、幼少期の頃から伏見区出身のお母様と何度も訪れてきた、馴染みの場所になっている。
Fushimi Inari Taisha
伏見稲荷大社
京都府京都市伏見区深草藪之内町68
ierib
豊富なレザーアイテムが揃う
アトリエショップ
京都の繁華街より少し離れた場所にひっそりと佇むビル内にある革ジャン屋。自社の製品を展示しつつもオーダーメイドも行い、デザイナーのReiさんが仕立てから販売まで、全て行っている。高校生の頃からバンドやロックにはまり、革ジャンには目がない獅童さんのお気に入りのお店。
ierib
イエリブ
京都市中京区千生松原町22田能ビル21
Kabocha No Tane
長く歌舞伎俳優に慕われる
うなぎ料理とおばんざいのお店
祇園・四条通り沿いに位置し、うなぎの名店で17 年間修行した店主が腕をふるう江戸焼きうなぎや、京料理を堪能できるお店。歌舞伎役者やお茶屋の女将、舞妓さんなど、地域を支える多くの人に長い間愛されてきた。獅童さんはお母様と長年通っていたそうで、店主の山田さんはいつも体を気遣い、応援してくれていたという。店内には、中村獅童さんを含む多くの歌舞伎俳優たちの「まねき看板」が並んでいる。
Kabocha No Tane
かぼちゃのたね
京都府京都市東山区祇園町北側267祇園了郭ビル1F
Toei Studios Kyoto
日本最大の規模を誇る
時代劇の名スタジオ
11のステージとオープンセットを持つ日本最大級の撮影所で、1926年より80年以上続く京都で一番長い歴史を持つ。時代劇だけでなく、京都を舞台としたテレビドラマなど、 ジャンルを問わない製作能力の高さにも定評がある 。獅童さんは29歳の頃に時代劇『大岡越前』の撮影で初めて訪れたんだそう。当時、右も左も分からない中で、厳しくも愛を持って指導してくれたという、俳優の峰蘭太郎さん、山口幸晴さんとも再会を果たすことができた。
Toei Studios Kyoto
東映京都撮影所
京都府京都市右京区太秦西蜂岡町9
Samurai Hills
時代劇俳優や撮影関係者が
宿泊していた場所
獅童さんを含め、多くの役者や監督、撮影スタッフが常宿にしていた場所。東映京都撮影所のすぐそばにあり、現在は侍ヒルズというゲストハウスになっている。建物内には特徴的な赤い階段があり、ドラマなどの撮影で使用されたこともある。
Samurai Hills
シェアハウス侍ヒルズ
京都府京都市右京区太秦西蜂岡町9−52
Kyo No Kosoyoku
元祖と言われる酵素浴を
体験できる場所
美容や病気の治癒への効果が有名で、がん治癒のために通う人もいるという酵素浴の施設。オーナーの栗林さんが山の中で発見したという黄金比の酵素は、ガスや火を使わずとも60度ほどになり、身体の芯まで温まることができる。多くの京都の役者にも愛されてきた酵素浴には、獅童さんもよく訪れるという。
Kyo No Kosoyoku
京の酵素浴
京都府京都市下京区河原町通正面下る万屋町万屋町344
Shigemori
京の趣と伝統を味わえるお茶屋
都らしい風情が残る、石畳の宮川町に位置するお茶屋。お座敷とカラオケルームを備えたお茶屋 「バー もり多」 も併設している。獅童さんは20代の頃から通っている常連客。今回のロケでは初舞台に上がった当時を知る女将さんと思い出話に花を咲かせた。
Shigemori
お茶屋しげ森
京都府京都市東山区宮川町6-375
Minamiza Theatre
400年以上にわたる
日本最古の歴史を持つ劇場
南座のルーツは江戸時代初期。芝居町として発展してきた京都四条河原で誕生して以来、歌舞伎をはじめとする多彩なジャンルのエンタテインメントの中心であり続けた。国の登録有形文化財であり、京都市の歴史意匠建造物にも指定されている。毎年、顔見世の時期になると役者の名前を書いた「まねき」と呼ばれる、白木の看板が劇場の入り口に並べられることでも有名。獅童さんは舞台の本番前と後に、屋上にある小さなお社に必ず参拝しているそう。また、獅童さんの古典とデジタルテクノロジーを融合させた「超歌舞伎」の上演もここで行った。
Minamiza Theatre
南座
京都府東山区中之町198 四条大橋東詰
昨年、京都南座で行われる年に一度の慣例行事「顔見世興行」で初めて主役に。
19歳の頃、主役は無理だと言われてから、30年。無駄な時間は、ひとつもなかった。
諦めなければ、道は拓ける。人は、いくつになっても成長できる。
テレビや映画から学んだことも、歌舞伎に返していきたい。
歌舞伎の伝統と革新、それは過去へのリスペクト、未来へのロマンだと彼は語る。
馴染み深い京都の地で、歌舞伎への熱い愛と先人への想い、感謝の気持ちを再確認した。
諦めずに新たな領域にも挑み続けていく。想いは舞台へ、未来へ、繋がっていく。
JOUR
NEY
中村獅童 (なかむら しどう)
1972年9月14日生まれ。歌舞伎の名門一家で、祖父は昭和の名女方と謳われた三世中村時蔵、父はその三男・三喜雄。叔父に映画俳優・萬屋錦之介、中村嘉葎雄。従兄は、中村歌六、中村時蔵、中村又五郎、中村錦之助。1981年に8歳で歌舞伎座『妹背山婦女庭訓』で初舞台を踏み、二代目中村獅童襲名。歌舞伎「義経千本桜」をはじめ、多くの歌舞伎舞台で主演や座長を務めている。また歌舞伎俳優として活躍する傍ら、2002年に公開された映画『ピンポン』で注目を集め、2003年に映画『阿修羅のごとく』で日本アカデミー賞優秀助演男優賞を獲得。2015年の絵本を原作とした新作歌舞伎『あらしのよるに』は再演を重ねる人気作となった。2016年には、バーチャルシンガーの初音ミクとコラボした超歌舞伎『今昔饗宴千本桜』を発表。NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』に出演。また声優業や自身のYoutubeチャンネルの開設など、型にはまらず、幅広いシーンで活躍と挑戦を続けている。