柳楽優弥 / 俳優
Busan
釜山
情熱が導いてくれた
柳楽優弥の映画愛が溢れる場所、釜山
柳楽優弥 / 俳優
※写真はGoogle Pixelで撮影しています。
唯一無二の圧倒的な演技力で観る人を魅了する、俳優・柳楽優弥。その存在感は、映画デビュー作から際立っていた。2004年、カンヌ国際映画祭。是枝裕和監督の映画『誰も知らない』で、史上最年少かつ日本人として初めての最優秀男優賞を受賞。当代一を争う役者たちが生涯かけても獲れないような賞を、14歳で獲得した。しかし、輝かしい船出は波乱に満ちた航海のはじまりに過ぎなかった。そんな時に訪れたのが、韓国第2の都市・釜山。『許されざる者』でレッドカーペットを歩いたことが、再浮上するきっかけを作った。そしてその後、彼は『夜明け』『ガンニバル』で、主演として再び釜山映画祭の舞台に上がることとなる。俳優人生の節目で度々訪れている映画の街・釜山で、彼の秘めたる思いを探る。JOUR
NEY
Haeundae movie Street
映画関連のモチーフが飾られた
海岸沿いの遊歩道
著名な俳優や映画製作者の手形、映画関連のオブジェ、釜山で撮影された作品のパネルが800mに渡って並び、映画の街らしい写真を撮影できることでも人気のスポット。夜にはライトアップが実施され、ロマンチックな雰囲気も楽しめる。遊歩道を散策した柳楽さんは、俳優陣の手形に手を重ね「力をもらえた気がする」と語った。
Haeundae movie Street
海雲台映画通り
Haeundae-gu, Wooje 1-dong,Busan
Puchon International Fantastic Film Festival
柳楽さんが参加した
アジア最大級の国際映画祭
柳楽さんは「富川国際ファンタスティック映画祭」に参加するため富川へ。全世界から集められた個性的なジャンルの300作品が11日間かけて上映される映画祭で、日本からは柳楽さんが主演を務める映画『夏目アラタの結婚』が選出。柳楽さんは堤幸彦監督と共に富川市役所芝生広場で行われたレッドカーペットを歩き、英語も交えながら、分刻みの取材スケジュールを精力的にこなした。
Puchon International Fantastic Film Festival
富川国際ファンタスティック映画祭
210, Gilju-ro, Bucheon-si, Gyeonggi-do
Climax Studio
数多くのヒット作を生み出す
韓国の制作会社
韓国のエンタメ最前線を知るため、柳楽さんはソウルにも足を伸ばした。訪れたのは2018年に設立以来、世界市場で成功する作品を生み出してきた「Climax Studio」。柳楽さんは、そんなClimax StudioのCEOで2023年の「プロデューサー・オブ・イヤー」に輝いたビョン・スンミンさんとここで対面し、映画や演技について語り合った。制作作品の展示コーナーでは、『コンクリート・ユートピア』でイ・ビョンホンさんが着用していた衣装や、『バッドランド・ハンターズ』でマ・ドンソクさんが使用していたナイフを興味津々に眺める姿も。
Climax Studio
クライマックススタジオ
Seoul City Gangnam-gu 17-11 Dosan-daero 8-gil
BIFF Square
映画スターの手形が並ぶ
釜山一の繁華街
映画祭開催のために1996年に造成され、「釜山国際映画祭(Busan International Film Festival)」の頭文字をとって名づけられた「BIFF(ビップ)広場」。屋台が立ち並び、釜山を代表的するグルメ路地としても有名。映画祭に参加した俳優らの手形が道路に埋め込まれており、柳楽さんはトニー・レオンさんの手形を発見。自分とほぼ同じ大きさの手形に「嬉しい」と微笑んだ。
BIFF Square
BIFF広場
58-1 Gudeok-ro, Jung-gu, Busan
Gemichip
柳楽さんが訪れた
ナッコプセの老舗
釜山発祥のピリ辛鍋料理「ナッコプセ」が味わえるお店。24時間営業で、日本人観光客も多く訪れる。ここは今田耕司さん行きつけの場所でもあるんだとか。柳楽さんは、今田さんもおすすめするタコ、エビ、ホルモンが入ったナッコプセを堪能した。
Gemichip
ケミチプ 西面店
73 Sincheon-daero 62beon-gil, Busanjin District, Busan
Busan Cinema Center
柳楽さんの思い出に残る
国際映画祭会場
2011年にスタートした、アジアを代表する映画の祭典・釜山国際映画祭のメイン会場。映画祭は毎年10月に10日間開催され、国内外の300作品が上映されている。柳楽さんは2013年に『許されざる者』で主演の渡辺謙さんと共に参加。その後、主演作で2019年に『夜明け』、2023年に『ガンニバル』で再びレッドカーペットを歩いた。「映画が大好きな人が集まっているんだなと感じる映画祭」と語る、思い出深い場所。
Busan Cinema Center
映画の殿堂
120 Suyeonggangbyeon-daero, Haeundae-gu, Busan
釜山が、背中を押してくれた。だからこそ、今がある。
真摯に演じ続ける。
この街に、この街の映画人たちに、認めてもらう。そのために。
これまでも、これからも、
情熱を絶やさず、過去の栄光にしがみつくことなく
新たな一面を出し続ける。
簡単じゃないから、面白い。
観るのも、演じるのも好き。
映画への愛を胸に、釜山で成長の手ごたえを感じながら
キャリアを重ねてゆく。
JOUR
NEY
柳楽優弥 (やぎら ゆうや)
是枝裕和監督『誰も知らない』で初オーディションを受け主演に大抜擢。第57回カンヌ国際映画祭で史上最年少、日本人初となる最優秀男優賞を受賞。映画『ディストラクション・ベイビーズ』(2016年)では『第38回ヨコハマ映画祭』『第90回キネマ旬報ベスト・テン』の主演男優賞受賞。2017年には『女城主 直虎』で大河ドラマ初出演。2021年にはビートたけし役で主演を務めたドラマ『浅草キッド』が、2018年にはサイコスリラー『ガンニバル』が全世界配信され、大きな話題に。7月には主演映画『夏目アラタの結婚』が第28回富川国際ファンタスティック映画祭でワールドプレミア上映を果たした。